2005年6月2日木曜日

1セルブラシレスモーターの推力と重量の比較

前回のベンチテストで、1セルブラシレスモーターの出力パワーを左右するパーツ(ステーター、コイル、磁石)を変えてテストしました。
その結果、パワーの大きいパーツ構成と、軽量なパーツ構成がでてきました。そこで、この2つのパーツ構成で、モーターユニット(プロペラ込み)を製作し、比較してみました。


ケース1:パワーの大きいパーツ構成のブラシレスモーター  重量:13.8g
プロペラ:GWS6030 ステーター厚み:3.5mm コイル 線径:φ0.4mm  巻き数:12 磁石5x5x1
電圧:3.70V 電流:2.00A 回転数:6200r.p.m 静止推力:54.0g トルク:41.0gcm テストバッテリー:Kokam Li-Poly 340mAh 1セル

ケース2:軽量なパーツ構成のブラシレスモーター  重量:8.7g
プロペラ:GWS5030 ステーター厚み:1.5mm コイル 線径:φ0.26mm  巻き数:24 磁石φ3x1
電圧:3.77V 電流:1.58A 回転数:6400r.p.m 静止推力:36.0g トルク:26.0gcm テストバッテリー:Kokam Li-Poly 340mAh 1セル

ケース1は、静止推力:54.0gと1セルモーターとしては魅力的な推力を出しています。
しかし、ケース2と重量を比べると5.1gも重くなっています。もし、ケース2のブラシレスモーターを2セル仕様に改造した場合、バッテリー(E-Tec Li-Poly 250mAh 重量:5.5g)が1セル分多くても重量はほとんどかわらなくて、多分出力はもっと大きくなるでしょう。
ですから、ケース1は「1セルで使うには重た過ぎる」ということになります。
次に、ケース2のモーターと今まで、インドアRCで使ってきたモーターと比較してみます。
E-Chaegersモーターユニット 減速比 2.67:1  重量:7.1g
プロペラ:メーカーオリジナル  GWS3030相当
電圧:3.39V 電流:1.16A 回転数:8000r.p.m 静止推力:17.7g トルク:17.0gcm テストバッテリー:携帯電話 Li-Ion 550mAh 1セル

このモーターは米国のSpin Master Inc.で売っていた「E-Chaegers」と言うフリーフライト飛行機に積まれていたモーターユニットで、マブチのM-20のモーター(製造元はマブチ香港)が使われています。
このモーターユニットを使っている飛行機のほとんどはケース2のモーターユニットに置き換え可能と思われる。E-Chaegersではパワーが足りない飛行機には最適です。
ただし、E-Chaegersは電流が小さいので、バッテリーが1サイズ小さいKokam Li-Poly 140mAh(重量:4g)使用可能で、モーターユニット重量の差も含むと3gから4gほど重くなります。軽量な飛行機に搭載する場合は、ケース2のモーターをさらに軽量化(パワーは落ちても良い)する必要があると思われます。
M-20モーター(マブチのM-20と同じサイズのモーター)は、E-Chaegersに搭載されているLV(低電圧)仕様の他にHV(高電圧)仕様があります。
M-20HVモーターユニット 減速比 4.2:1  重量:8.0g
プロペラ:GWS5030
電圧:6.85V 電流:0.93A 回転数:7000r.p.m 静止推力:38.6g トルク:22.8gcm テストバッテリー:携帯電話 Li-Ion 550mAh 2セル

このモーターは秋葉原のジャンクショップで入手したものです。
このモーターユニットは電流が小さいので、バッテリーKokam Li-Poly 140mAh(重量:4g)を2セルで普段使っています。
ケース2のモーターそのものですと、重量はやや軽く(1.8g)推力はやや小さめと言うことになります。
そのままでも、ケース2のモーターユニットに置き換え可能ですが、磁石、コイルを高出力用に変更すれば、推力の面でも問題がなくなるでしょう。また、ケース2のモーターを2セル仕様に改造すれば、重量が同じで、よりパワフルなモーターユニットになると思います。
この他にも、過去に2セルで使用したモーターユニットがあります。
これらのモーターは推力が大きいので、1セルブラシレスモーターでは代用できません。
しかし、ケース1、ケース2のモーターを2セル仕様に改造すれば、重量が軽くて、よりパワフルなブラシレスモーターとなり、これらのモーターユニットの代用ができると思われます。
N-20HVモーターユニット 減速比 3:1  重量:10.1g
プロペラ:GWS5030
電圧:7.25V 電流:0.88A 回転数:7000r.p.m 静止推力:43.5g トルク:22.7gcm テストバッテリー:携帯電話 Li-Ion 550mAh 2セル

このモーターはGWSのスケール飛行機「ステルスB2」に付いてきたモーターで、マブチのN-20と同じサイズのモーターです。このモーターはHV仕様ですが、この他にもLV仕様が「N20AB」と言う名前で売られています。
キーエンス ジャイロソーサー用 モーターユニット 減速比 5.4:1  重量:11.8g 
プロペラ:WES 16x12cm GWS6050相当
電圧:6.81V 電流:1.87A 回転数:未測定 静止推力:77.0g トルク:未測定 テストバッテリー:携帯電話 Li-Ion 550mAh 2セル

GWS EDPS-50XC 減速比 1:1  重量:18.9g 
プロペラ:GWS4025
電圧:6.38V 電流:2.57A 回転数:13000r.p.m 静止推力:79.0g トルク:46.0gcm テストバッテリー:携帯電話 Li-Ion 550mAh 2セル

DC5-2.4 減速比 8:1  重量:17.3g 
プロペラ:WES 28X12cm GWS1150相当
電圧:7.56V 電流:1.19A 回転数:2400r.p.m 静止推力:90.0g トルク:145.0gcm テストバッテリー:携帯電話 Li-Ion 550mAh 2セル

DC6-8.5 減速比 6:1  重量:24.9g 
プロペラ:WES 28X12cm GWS1150相当
電圧:7.2V 電流:1.73A 回転数:2900r.p.m 静止推力:122.0g トルク:294.4gcm テストバッテリー:携帯電話 Li-Ion 550mAh 2セル

2 件のコメント:

  1. 自分でもこのように比較したデータ整理をしなくてはだめなのですが、さぼっています。
    ブラシレスモータの1セル、2セルの使い分けが従来のブラシモータユニットのどのあたりに位置するのか、よくわかりますね。
    まだ我々は実際にはやっていませんが、アクロ系ではブラシレスモータのギアダウン使用も行われています。
    今回の比較ではダイレクトとギアダウンユニットを使用したデータ比較が混在されています。今後はその辺も考慮してデータ取りをしていきましょう。

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  2. そうですね。データー整理は調査したい内容「今回は出力パワー(推力)v.s.モーターユニット重量(プロペラ込み)」で整理のしかたが変わりますからね。
    調査したい内容をリクエストしてくれれば、私が整理してもいいですよ。(その内容に私が興味を持てば)
    その時、kuritaさんのベンチテストデーターを頂ければそれを含めることは可能です。

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