2機分で合計4枚のスチレンペーパーの同じ場所に折り曲げ跡がありました。
ダンボールの間に入れて送ってくださったのだが、そのダンボールごと折り曲げられたようです。
赤ペンで「折曲禁止」の文字がむなしく見えます。
この飛行機は、ピボット(蝶つがい)がゴムでできています。動翼はサーボがリンケージされているわけではないので、常にゆらゆらしています。飛行中も同じですが、動翼には空気の流れによる圧力がかかっています。
ピボットより後ろにしか動翼面が無い場合、動翼を動作させると上で説明したように空気の圧力で戻されます。アクチュエータのトルクが小さいと、この力に負けて十分に角度をつけることができません。そこで、ピボットより前に面積を設けて、ピボットより前の空気の圧力で舵が戻ろうとする力をやわらげることを、空力バランスを取るといいます。
仮に、この動翼平面形で、前部面積比率が25%を超えた場合は【図3】のように、動翼がアップになると揚力の中心がピボットより前になっているので、動翼がよりアップになろうとする。つまり、動翼の空力バランスが取れてない状態で、動翼はフルアップかフルダウンにロックしてしまいます。フラッタは起こしません。
次に、前部面積が【図4】のように、均一でない場合は、前部のある翼断面とそれ以外で翼効率が変わってきて、バランス点が25%よりも前に移動する事があります。この事でも空力バランスの問題でフラッタの原因を見つけることはできません。
エレベーターをアップ(ダウン)していって、空気の流れを見てみましょう。小さい角度の時は、【図6】のように空気の流れはスタビライザー部分と同じように流れています。しかし、角度が大きくなってくると【図7】のように前部の細長く飛び出している部分に空気が回り込み始めます。その時、前部に大きな揚力が発生します。

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