2003年8月14日木曜日

動翼フラッター

第23回横田スローフライヤークラブ飛行会で栗田さんの作成した飛行機に変な動きがあったのでそれを解説します。
飛行機は、電動FF機Eradicator改とロビン改機-03です。飛行速度を小さくして飛行している時は、エレベーターは良く効きます。速度を大きくしていくと、エレベーターがばたばた振動し始めるのです。速度を緩めるとバタバタはだんだん小さくなり、やがて収まります。この現象はフラッターと言います。今回のフラッター現象を詳細に解析してみました。

Figure1.jpgこの飛行機は、ピボット(蝶つがい)がゴムでできています。動翼はサーボがリンケージされているわけではないので、常にゆらゆらしています。飛行中も同じですが、動翼には空気の流れによる圧力がかかっています。
【図1】を見てわかるように、空気の圧力は動翼にもかかっているので、ニュートラルに戻される力が働き、動翼の揺れが大きくなる要素はありません。
 これは、前部面積(ピボットより前の動翼面積)があっても、空力バランスが変わるだけで、フラッターには影響しません。
ここで、空力バランスに関して簡単に説明しておきます。
Figure2.jpgピボットより後ろにしか動翼面が無い場合、動翼を動作させると上で説明したように空気の圧力で戻されます。アクチュエータのトルクが小さいと、この力に負けて十分に角度をつけることができません。そこで、ピボットより前に面積を設けて、ピボットより前の空気の圧力で舵が戻ろうとする力をやわらげることを、空力バランスを取るといいます。
ここで、100%空力バランスを取ると舵が敏感になりすぎます。このバランス点が動翼面積の25%なのです。ただし、前部面積が【図2】のように動翼全体に均一の平面形の時です。
Figure3.jpg仮に、この動翼平面形で、前部面積比率が25%を超えた場合は【図3】のように、動翼がアップになると揚力の中心がピボットより前になっているので、動翼がよりアップになろうとする。つまり、動翼の空力バランスが取れてない状態で、動翼はフルアップかフルダウンにロックしてしまいます。フラッタは起こしません。
Figure4.jpg次に、前部面積が【図4】のように、均一でない場合は、前部のある翼断面とそれ以外で翼効率が変わってきて、バランス点が25%よりも前に移動する事があります。この事でも空力バランスの問題でフラッタの原因を見つけることはできません。
ここで、【図5】のように前翼面積部分が細長く飛び出しているような動翼平面形だと状況が変わってきます。
Figure5.jpgエレベーターをアップ(ダウン)していって、空気の流れを見てみましょう。小さい角度の時は、【図6】のように空気の流れはスタビライザー部分と同じように流れています。しかし、角度が大きくなってくると【図7】のように前部の細長く飛び出している部分に空気が回り込み始めます。その時、前部に大きな揚力が発生します。
ピボットより前なので、エレベーターはアップになろうとします。次に、この回り込みの渦は一定しないので、蝶つがいにあるゴムのテンションが勝りエレベーターがニュートラルに戻ります。すると、慣性があるので、エレベーターはダウンになり同じ事が起こります。これを繰り返す事がフラッターなのです。
Figure6.jpgFigure7.jpg
まとめ、
蝶つがいがゴムで出来ているので飛行中もエレベーターは揺れています。なにかのきっかけで、エレベーターの角度が大きくなっても、飛行機の速度が小さいと発生する力は小さいので振動は収束します。しかし、速度が大きくなってくるとエレベーターはフラッターを起こし始めるのです。
対策として、前部の形を細長くしない。前部面積は小さめにする。などが考えられます。

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