2005年4月17日日曜日

Gee Bee R-1 サイズアップ

第37回横田スローフライヤークラブ飛行会で、飛行に成功したGee Bee R-1のサイズアップについて考えてみました。

飛行したGee Bee R-1は速度が速く、F西多摩体育館は狭すぎます。つまり、ちょっとした操縦ミスで壁に接触し、墜落してしまうのです。また、この飛行機はピーナッツサイズ(Span:330mm)なので、挙動の変化が早く、たとえ広い体育館でも、操縦が得意でない人には飛ばすがの難しい飛行機になっています。
そこで、スケールサイズを大きくして、操縦しやすいGee Bee R-1を考えてみることにしました。
飛行速度の実測
まず、考察を始めるのに、現状の飛行機の飛行速度を計測する必要があります。
飛行させた体育館のサイズ(27x15)が分かっているので、動画から円飛行の1旋回の時間を測定し、体育館のサイズから円の直径をイメージして円周を計算しました。
結果
円飛行の直径:12m
飛行時間:4.5秒
飛行速度:8.3m/s
同じ方法で別の飛行機の飛行速度測定した結果
クリックすると4.7Mのムービーがオープンします。
UNION スピットファイヤー
Span:330mm  翼面積:1.9dm2  全備重量:45g
飛行速度:6.9m/s
クリックすると1.0Mのムービーがオープンします。
TAIYO ムスタング
Span:525mm  翼面積:5.2dm2  全備重量:100g
飛行速度:6.2m/s
クリックすると8.0Mのムービーがオープンします。
Found
Span:330mm  翼面積:1.5dm2  全備重量:21g
飛行速度:5.0m/s

「UNION スピットファイヤー」と「TAIYO ムスタング」は飛行速度が早くて、F西多摩体育館では満足な飛行ができていません。広い体育館ではスパンの大きい「TAIYO ムスタング」は問題なく飛行できていますが、スパンの小さい「UNION スピットファイヤー」は墜落せずに飛行会を終了するのはまれです。
Foundは、F西多摩体育館で何とか飛行可能です。このムービーの後、Foundはページャーモーターを搭載するように改造(全備重量:16g)し、より飛行しやすくなりました。
次に、今飛行しているGee Bee R-1の詳細重量が必要なので、調べました。
モナカ(スチレンペーパー)      重量:6.8g
飛行機の形をスチレンペーパーをバキュームして作成している
モーターユニット            重量:9.1g
Kenway M-20 HV Geared Motor (4.2:1)
Paul GUNTHER125x110
バッテリー                重量:8.0g
Kokam Li-Poly 145mAhx2
受信機                  重量:2.9g
JMP Commbo servo
サーボ                  重量:3.4g
Falcon 1.7g servo x2
その他構造              重量:10.6g
強度部材や、リンケージ部品などで、ここの重量のみ製作者のセンスで変ってくる

Gee Bee R-1のサイズアップの方向性
スパンは500mmぐらいあれば、操縦がしやすくなります。できれば、飛行速度は5.0m/sで抑えたいところです。
実際、RC飛行機を飛行させるには、RCユニットを搭載する必要があります。また、飛行重量に見合ったモーターユニット、バッテリーの選択が必要になります。
ですから、予め、RCユニット、モーターユニット、バッテリーの組合せをいくつか決めておいて、それに見合うスケールサイズを決めていきます。
以下のように、RCユニット、モーターユニット、バッテリーの組合せを決めました。
ケース1(2セル ブラシモーター)      重量:23.4g
最大出力パワー:2.5w
モーターユニット            重量:9.1g
Kenway M-20 HV Geared Motor (4.2:1)
プロペラ:Paul GUNTHER125x110
バッテリー                重量:8.0g
Kokam Li-Poly 145mAhx2
受信機                  重量:2.9g
JMP Commbo servo
サーボ                  重量:3.4g
Falcon 1.7g servo x2
ケース2(1セル ブラシレスモーター)      重量:21.7g
最大出力パワー:3.0w
モーターユニット            重量:10.0g
1セル用自作ブラシレスモーター(1:1)
 このモーターは、まだ完成していない
プロペラ:GWS6030
アンプ:YGE 4-BL
バッテリー                重量:5.8g
E-Tech Li-Poly 250mAh x1
受信機                  重量:2.5g
JMP 5-2.3
サーボ                  重量:3.4g
Falcon 1.7g servo x2
ケース3(2セル ブラシレスモーター)      重量:39.7g
最大出力パワー:4.0w
モーターユニット            重量:18.2g
Brushless03-02 (1:1)
プロペラ:GWS6030
アンプ:YGE 4-BL
バッテリー                重量:11.6g
E-Tech Li-Poly 250mAh x2
受信機                  重量:2.5g
JMP 5-2.3
サーボ                重量:7.4g
Hyperion 3.7gサーボ x2

サイズアップは、スパンを330mm、480mm、650mm、800mmで全備重量、飛行速度、パワーを計算していきます。モナカ重量は、スパンの2乗に比例、その他構造重量はスパンの1乗に比例するとしました。
計算
スパン:330mm
ケース1     飛行速度:8.2m/s パワー:2.2w
このケースは、飛行に成功したGee Bee R-1と同じです。
  モナカ重量:6.8g 全備重量:40.8g
ケース2     飛行速度:8.0m/s パワー:2.0w
モナカ重量:6.8g 全備重量:37.8g
スパン:480mm
ケース1     飛行速度:6.4m/s パワー:2.3w
モナカ重量:14.4g 全備重量:53.2g
ケース2     飛行速度:6.3m/s パワー:2.1w
モナカ重量:14.4g 全備重量:51.1g
ケース3     飛行速度:7.1m/s パワー:3.1w
モナカ重量:14.4g 全備重量:64.5g
スパン:650mm
ケース2     飛行速度:5.7m/s パワー:2.8w
モナカ重量:26.4g 全備重量:76.0g
ケース3     飛行速度:6.3m/s パワー:3.9w
モナカ重量:26.4g 全備重量:94.4g
スパン:800mm
ケース2     飛行速度:5.2m/s パワー:3.7w
モナカ重量:40.0g 全備重量:104.1g
ケース3     飛行速度:5.7m/s パワー:4.7w
モナカ重量:40.0g 全備重量:122.5g

考察
スパンを大きくしていくと、飛行速度が小さくなっていくが、飛行に必要なパワーが大きくなっていきます。
速度は、どのケースでも目標の5.0m/sより大きいので、F西多摩体育館での飛行は厳しいものがあります。これを達成するには、より軽量な構造、RCユニット、モーターユニットを探す必要があります。
スパン:800mmでは、想定しているモーターユニットではパワー不足で飛行できるかわかりません。
スパン:650mmでは、ケース1のモーターユニットではパワー不足で飛行できるかわかりません。ケース2で使っているサーボのトルク不足になるので、可能なチョイスはケース3のみになります。
スパン:480mmでは、3つのケースとも飛行できる可能性があります。
以上より、選択のケースが広がる、スパン:480mmにサイズアップするのがベターと考えています。

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