2013年2月15日金曜日

後方限界重心位置

ガル羽ばたき 解析で後方限界重心位置について、現在の計算方法では正確性に欠けることが解った。そこで、XFLR5を使ってUNA3_TB30を解析してみました。


今使っている計算は、主翼と水平尾翼のMAC(空力平均翼弦)、揚力傾斜、主翼の吹き下ろしの影響を計算し、主翼ボリュウム比から、安定がゼロとなる重心位置を求めています。
この計算で、UNA3_TB30の後方限界重心位置は主翼前縁から46.7mm(MAC:28.7%)となっています。
部屋のなかで重心を下げてグライドテストをして見ると、少なくとも主翼前縁から90mm(MAC:62%)までは、安定がありそうです。狭い部屋なので正確な後方限界位置まではテストできませんが、計算値よりかなり後方まで重心位置を下げても飛行出来そうです。
XFLR5
XFLR5は振り子安定も加味していることがわたっているので、振り子安定がない(上半角がない主翼)も比較しています。
最初の画像は「UNA3_TB30_FB4308Wing」:現在飛行しているUNA3_TB30の3D Viewです。
「UNA3_TB30_FLAT_FB4308WingOnly」
上半角がない主翼のみの3D Viewです。
「UNA3_TB30_FLAT_FB4308Wing」
上半角がない主翼でUNA3_TB30の3D Viewです。

結果
Cm.vs.AlphaのグラフでAlphaが変化してもCmが変化しない状態が安定中立、その重心位置が後方限界重心位置となるわけです。

まず、「UNA3_TB30_FLAT_FB4308WingOnly」の安定中立をみると、重心位置が前縁から40mm(MAC24%)と、完全流体での安定中立位置25%に近い計算結果になっています。
次に、「UNA3_TB30_FLAT_FB4308Wing」の安定中立をみると、重心位置が前縁から51mm(MAC32%)と、私の計算結果より3%あまり後方になっています。
最後に、「UNA3_TB30_FB4308Wing」の安定中立をみると、重心位置が前縁から58mm(MAC38%)と、後方限界重心位置が後ろになっているが、グライドテストよりはまだずいぶん前方になっていることがわかります。
実際の翼はEPP板翼ですが、XFLR5で使っている翼型は下面フラットの8%翼と違っています。
レイノルズ数が小さい場合とか、主翼と尾翼が近い場合の干渉とか、尾翼の低アスペクト比とか、何か原因があるのでしょが、現在は解らない状況です。
これは今後の宿題としておき、当面は「計算値よりも後方に中立位置がありそうだ」と頭の片隅において、飛行させていくつもりです。

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