2009年7月12日日曜日

ビローシフトとは

ロガロ式のハンググライダーはパイプで組んだ骨組みにセイルを張った、シンプルな構造のグライダーです。
写真で見て分かるとおり、セイルの後ろが左右それぞれ湾曲しているように見えます。
このことをビローと言います。
ちなみに、この写真のパイロットは私です。私が学生時代に撮影したものです。

このグライダーは無尾翼で、翼は後退しています。
この形式のグライダーは安定を得る為に、翼は捻り下げが必要です。
セイルにビローがあることで、捻り下げをつけているのです。
ですから、ロガロ式グライダーのセイルをピンと張って、ビローを無くしてしまうと、不安定になって飛行することができません。
さて、このビローを左右で違う状態にすることを、ビローシフトと言います。
左右のビローの大きさが違う訳だから、左右の捻り下げが違うことになり、エルロンを操舵したのと同じ挙動をロガロ式グライダーは起こすことになるのです。
これを使って、旋回するわけです。
「ハンググライダーはパイロットが左右に動いて、体重を移動することで左右のバランスを変えて旋回する」と言う話を良く聞きます。
確かに、左右のバランスを変えているのですが、その状態で左右のセイルにかかる重量が違ってくるので、左右のビローの大きさが変ります。つまり、ビローシフトしているのです。これで、旋回できるのです。
先日、私が作成したRCハンググライダーは、体重移動ではなく、直接翼の先端を引っ張ってビローシフトさせています。

左の写真はサーボニュートラル状態で、サーボホーンの先に結んであるPEラインは翼端に繋がっていてます。この状態で、翼端を引っ張っているのでビローが付いているのです。
操舵するとサーボが動き、ビローが変化します。
中写真はエルロン操舵、右写真はエレベータ操舵したところです。

2 件のコメント:

  1. RCハンググライダー、先日操縦させて貰いましたが飛行そのものが優雅な感じですね。
     今まで見てきたハンググライダーより平面的な形状でスパンも長いですね、三角形という一般的な形状とも違いました、左右の操舵感が違いましたが調整の範囲でしょうか?それとも特性ですか?
     動力はプッシャータイプでしたが、この形式がベストなのでしょうか?プルタイプでは問題が有るのでしょうか。

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  2. sugaさん>
    「優雅」な印象ありますよね。これは、垂直尾翼が無いのが効いている気がします。実機のロガロハンググライダーもそうだし、鳥もそうです。少し横にスライドする感じがナチュラルに感じるのではないでしょうか。
    私のRCハンググライダーは翼のアスペクト比を欲張り過ぎてます。ビローが大きくないと安定しないので、速度が大きくなって、安定も不足気味です。
    左右の操舵感は、プロペラのジャイロ効果で、左旋回時に巻き込んでいると思われます。背面飛行する訳ではないので、サイドスラストで調整できると思います。カーボンペラに交換しても良いかも?
    プッシャータイプにしているのは、私の知っている実機のモーターハンググライダーは全てプッシャーだったので、同じにしました。
    トラクターでも飛行に問題は無い(右旋回時に巻き込む)と思います。

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