2012年7月7日土曜日

Skywalk II .vs. Rocky-III 性能  その4

図面から計測した翼型を使い、飛行速度にあわせて変化させたレイノルズ数でXfoil解析を行いSkywalk II とRocky-IIIの性能を比較してみました。 




「エレベータニュートラル時の釣合CLとの差」
エレベータを操舵することで、飛行速度を変化させます。つまり、尾翼揚力(CL)を変化させています。
各速度での釣合CLとエレベータニュートラルのままのCLとの差をグラフ化したもので、「CL差」が0の速度がエレベータニュートラルで滑空する速度(設計滑空速度)となります。
Rocky-IIIは最大滑空比の速度に設計滑空速度が設定されています。
Skywalk II は最大滑空比と最小沈下の間に設定されているのがわかります。
「機体姿勢に対する尾翼CL変化率」
各速度で滑空する機体を1度姿勢を変化させるのに、尾翼CLをどのぐらい変化させなければならないかを表したグラフです。つまり、「CLh/°」が大きいと操縦性が悪いと言うことになります。
Rocky-III、Skywalk IIとも、最小沈下では急激に操縦性が悪くなっています。これは、前縁剥離再付着が発生している迎角をまたいでいるのが原因だと思われます。
「Rocky-IIIは操縦性が良く、Skywalk IIは浮きが良い」
Rocky-IIIの設計滑空速度が最大滑空比に設定されていて、その速度は操縦性も良いので操縦した時の印象が「操縦性が良い」となるのでしょう。
Skywalk IIは設計滑空速度が最小沈下よりに設定されている事もあり、「浮きが良い」となるのでしょう。
「Skywalk IIのアップセッティング」
Skywalk IIを長年飛ばしている佐藤さんはエレベータをアップセッティングで飛ばしています。
これは、最小沈下にセッティングしていると思われます。
しかも、「エレベータダウンはなるべく操舵しないほうが良い」とアドバイスしています。
「機体姿勢に対する尾翼CL変化率」見て分かるとおり、Skywalk IIは最小沈下付近では操縦性が悪いのに、少し速いところでは、操縦性が急に良く(敏感)なっています。これは、非常に操縦しづらい状況が想像できます。ですから、エレベータダウンせず、最小沈下付近の滑空速度を維持して飛行するのがもっとも浮きが良くなると思われます。
これが、微風の素浜飛行場で一番高く上がる飛ばし方なのでしょう。

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